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『ルパン三世』という作品は、長い年月、様々な人の手によって捏ねられてきた巨大な怪物のような作品である。
これだけ膨大な量になると、設定のつじつまは合わないわ、キャラクターの性格は違うわとさまざまな歪みがあったりして、ファンによってこれほど「こだわり」に違いが現れるのも珍しい作品ではなかろうか。
そこで、KもKなりに、『ルパン』についてこだわってみたい項目を並べてみた。
しかし古くから一途に「ルパン」を思い続けたわけではないKのこと、基本はミーハー。けっこう許容範囲は広い。こんなルパンは許せない、というケースは、実はそれほど多くはない(笑)。
「ルパン三世」出会い編
1.出会い 〜「ルパン三世」にハマったきっかけ
「ルパン三世」を知らない日本人は少ないだろう。Kも子供の頃からこのアニメを見て育ったクチである。一番記憶にあるのはやはりセカンドシリーズ、いわゆる「新ルパン」で、どうやらリアルタイムで見ていたものと思われる。その後何度も再放送を経て、確か「パートV」も見ていた。
テレビスペシャルもほとんど毎年のように見ていたが、毎年、「たいして面白くないなぁ」と感じていた。しかし2002年の「ファースト・コンタクト」。「ルパン」ファンを増やしたと言うこのスペシャルが放映された時、友人の家でテレビはつけていたものの、久し振りに会った連中と話をするのに夢中で、全然見ていなかった。しかし、出会い編ということで、ちょっと面白そうだなという印象だけは感じていた。なかなか評判がよかったようで、周囲の人たちも「面白かったよ」と言っていたため、そのうちビデオでも借りてみよう、と思いつつ、一年がすぎてしまった。
2003年初夏。今年もTVスペシャルがあるぞとテレビでCMが流れ始めた頃、そういえば、去年のをまだ見ていなかった…と思い出した。で、何気なくインターネットでファンサイトを検索して、某有名サイト様にたどり着いた時、すごーくかっこいいイラストを見つけてしまったのだ。このイラストでノックダウン。今までは単に「子供の頃好きだったアニメ」だったのに、「ファースト・コンタクト」と「お宝返却大作戦」を見て、すっかり現役ファンになってしまって現在に至る。
2.再会 〜改めて「ルパン三世」をビデオやDVDで追いかける
現在ビデオでゆっくりレンタル中。ファーストシリーズ、いわゆる「旧ルパン」から始まり、順序よく「新ルパン」「パートV」に進んでいる。TVスペシャルや劇場版は順不同で少しずつ。今まで大体のものは見ているはずなのに、面白いくらいストーリーを忘れてしまっている自分に少し驚いている。
3.主張 〜お気に入りのキャラクター
一番のお気に入りは次元大介。今も昔も変わらず。もっと子供の頃はルパンが一番だったかもしれないが、記憶にある限りでは、黒ずくめで目を見せない男、というあたりが好みなのは昔から変わっていないようで。
ルパン、五右衛門なども昔から大好きではあった。しかし不二子になると話は変わる。子供の頃はいつもルパンを裏切ってばかりのこの「悪女」が嫌いで、どうしてこの人が時々ルパンの仕事に混じるのか、理解できなかった記憶がある。
大人になって「ルパン三世」を見直して、不二子をかっこいいと思うようになった。子供の頃にはわからなかった彼女の魅力がわかるようになっただけ、自分がオトナになったのだろう。というか、子供に彼女を理解するのは難しいのではないのだろうか。不二子ちゃんについてはまた別の場でゆっくり語りたい。
「ルパン三世」各シリーズこだわり編
4.「ルパン三世」First Series について
実は昔に見た記憶がない。『緑ジャケット』ルパンを存在としては知っているが、「カリオストロの城」のイメージのみだった。ハマりなおしてビデオで全部見ても記憶が甦らないため、はじめて見たのかもしれない。しかし妹と話をしたところ、妹は「七番目の橋が落ちるとき」のあの有名な波乗りルパンの狙撃シーンを記憶していたので、再放送で見たことはあるのだろう。
率直に言えば、「こんなものを子供たちがアニメに夢中になっていた、アニメ黄金期によく作ったなぁ」と感心したというか、衝撃を受けたというか。あまりに大人向け。あまりにハードボイルド。子供の頃、これを見てもおそらく意味がわからず、面白いとは思えなかったことだろう。(それで覚えていないのか?)
全体の印象としては、ちぐはぐしている。全23話のうち、今となっては高い評価を受けている前半は当時まったくウケなかったらしく、途中から路線変更され、子供受けのするストーリーを目指したらしい。
おかげで後半はよく言えはリズミカル、個人的な印象としてはどこか野暮ったい話が多い。新ルほど開き直っていないからだろう。模索を続けて迷走したあげく、バンザイした最終回… と、言ってしまうと「旧ル」ファンに怒られるのだろうか。
ちなみに前半は独特の気だるげな雰囲気が非常に気に入っている。人気の高い「脱獄のチャンスは一度」は絶品! 「魔術師と呼ばれた男」「十三代五ェ門登場」などが大好きだ。一方で不二子ファンに好まれている「殺し屋はブルースを歌う」は、K的にはイマイチ。Kの中で不二子はそうじゃないのである。
印象が変わってきたのは13、14話目あたりからで、そういえば不二子の髪型も変わっていた。
「罠にかかったルパン」「ジャジャ馬娘を助け出せ!」など後半の作品も面白いものがあるが、最初の頃のように、説明のできない世界観にどっぷり浸れている心地よい気分と異なっていることは確かで。
あの時代が生み出した、ちょっと時代が早すぎた名作。それが「ルパン三世 First Series」なのだろう。
5.「ルパン三世」Second Series について
世に言う『赤ジャケット』もっとも認知されているらしいルパンである。非常に幅広いジャンルを網羅したシリーズで、ひたすら馬鹿馬鹿しかったり、枕を投げつけたくなるほど駄作だったり、ナンセンスだったりする一方で、いぶし銀のような渋さや世界情勢を逆手に取ったきわどい作品も時折きらりと光る。子供が見れば子供の観点で面白いだろうし、子供では難しすぎるだろうってな設定やストーリーも点在し、ターゲット層がどの辺りにあるのかよくわからない。いや、ファミリー向けってんだから実際、子供からお父さんまで楽しめる作品なのかもしれないが。
全155話。良くも悪くも、現在まで続く「ルパン三世」の骨格的なイメージを作り上げているような気がする。それは、Kにとって根底にあるのがこの新ルのノリだからかもしれないが。
馬鹿馬鹿しくて、悪ノリで、一貫性がなくて、設定がコロコロ変わる。ああ、「ルパン三世」そのまんまである(苦笑)。
6.「ルパン三世」Third Series について
「パート3」の名で親しまれているピンクジャケットルパン。「旧ル」派、「新ル」派に比べて認知・人気度は低めのような気がする。
リアルタイムで見ていた時は、実は「面白くない!」と思っていた記憶がある。知っている赤ルパンとはあまりにイメージが異なっていたからだろう。最近になって改めて見直して、ある意味もっともハジけたシリーズであると感じるようになった。これはこのシリーズとして、個人的には非常に好きである。
勢いのある線で描かれた絵柄、時に目を見張るほど豪快なアクションなどに、製作者側のチャレンジ精神を感じる。アニメといえば大体の傾向が定まっていたあの時代、新しい方向性を模索していた作品は少なくなかったと思われるが、これもそのうちのひとつなのだろう。
ただ、ストーリー・絵柄ともに、回ごとの出来不出来の差は大きい。特に絵柄はどんどん変わっていって、オープニングの丁寧なキャラ設定はどこへいったんだ! と夕日に向かって叫びたいところである(笑)。
7.「ルパン三世」TVスペシャルについて
現在まで脈々と続いている、毎年夏休みに恒例のごとく放映される二時間スペシャル。2005年夏までで17作を数える。放映されるたび、新規ルパンファンを増やす一方、「あんな駄作を作るな!」と古くからのファンに大抵失望されるらしい(笑)。良くも悪くも賛否両論のシリーズである。
年に一度なのだからもう少し完成度の高いものを作ったっていいだろうに、とは思うが、「ルパン三世」という怪物を扱うのは実に大変なのだろうと推測される。それでも新しいルパン、現在のアニメ技術を駆使したキレイな絵柄のルパンの活躍を見られるのは喜ばしいことだとKは思っている。
面白いものも駄作と思われるものもいろいろであるが、やはりスペシャルも最初の頃の方が全体的に質が高かった。「ヘミングウェイ・ペーパーの謎」などは子供の頃、ビデオに録画したのか、何度も見た記憶がある。これも面白いが、やはりイチオシはテレビスペシャル第1作目である「バイバイ・リバティー・危機一髪!」だろう。テンポもいいし、ストーリーもうまい。レギュラー陣がゲストキャラに食われていないところもお気に入り。何より次元が!格好いいんですよ……!
好きなスペシャルのベスト2は「ルパン暗殺指令」。声優さんたちの御歳に応じてちょっぴり年齢が上らしく、「俺たちももう若くねぇ」とか「老後の計画」などと口走っているが、その声の老いた感じも渋くて好きvv そのくせ次元は前髪を下ろしているのでやけに幼く見えるのですが…
ストーリーもわりと硬派で、見る方も製作する方もかなり精神年齢高めだと思われる。
次に挙げるとするなら最近の新作にしておこう。「ファースト・コンタクト」 狙いすぎの観が否めないが、レギュラー陣の出会いに話を絞り、ああいう種明かしを用意したのは一つの成功だったと言ってよいかと。新しい「ルパン」の一つの方向性を見出したのではないかという印象を受ける。
…ちなみに物語的にはイマイチだが妙に気に入っているのは「アルカトラズ・コネクション」。二度と見なくていいやと思うのが「トワイライト・ジェミニ」。他にもいろいろあるが、全部挙げていたらキリがないのでこれくらいで。
8.「ルパン三世」劇場版について
「ルパンv.s.複製人間」について語らせてくれ。
かの作品が映画館で公開された頃、Kは小学生に上がったばかりだったかと推測される。(こらそこ、年齢を逆算しないように)
記憶しているのは冬休み。何せ田舎住まいなので公開期にずれがあったかもしれないが、兄と共にお年玉で映画を見に連れて行ってくれと父にねだり、生まれてはじめて見に行こうとした映画がこのアニメだった。
ところが、である。映画館の前まで来て、「v.s.複製人間」のポスターを見た時、Kはビビった。
何? このルパンは(注 : TVシリーズと違うからね)。ルパンが抱いているこの女のヒトは誰?(注 : 不二子です) そしてこの変な目玉の緑の肌のお化けは何っ!?(注 : マモーです)
……映画館の前で見たポスターにショックを受け、幼いKは映画を見る勇気を失ったのでした。
「どうする?」と父に聞かれ、おそらくやめると答えたのだろう。
ちなみに父は洋画好き。それならと子供二人を連れて、別の映画館に入っていった。そこで見た映画は、忘れもしないメル・ギブソン主演の『マッドマックス』だった。結構なバイオレンス映画で、ルパン映画と結果的にどちらがより怖かったのか、今となっては謎である。
そんなわけで、Kが生まれてはじめて映画館で見た映画は「マッドマックス」だった。その後、見ることのなかった「ルパン三世劇場版」は当然テレビ放映で何度も見ることになるが、マモー(の最期)がトラウマになるほど衝撃的な恐怖であったことは今さら言うまでもない。
9.「ルパン三世」原作版について
当然ながら、「ルパン三世」には原作がある。モンキー・パンチ氏が描かれた「ルパン三世」「新ルパン三世」その他「ルパン小僧」などの短編である。かなりアクの強い絵とアニメとのイメージの違いで、ハマりなおすまでまともに読んだことはなかった。現在も読破しているわけではない。
かなりエロチックでアクロバティックで、トリッキーなお話。ルパンという主役のみが中心にあり、その他のことはすべてセオリー無視、天衣無縫な製作方法のようだ。次元大介も最初の巻辺りでは刑事だったり幼馴染みだったり、固定したキャラ設定はまるでなく、名前と外観だけのキャラの使いまわしだと容易に知れる。峰不二子に至っては何人もいるらしい(笑) 個人の名前ではなく、実体のないイレモノなのだろう。
しかし原作の作り方は非常に面白い。アニメの面白さとはまったく違う魅力があり、並べて「どちらが好き」という問題ではない。方向性がまるで違うので、別々のものと考える方がとっつきやすいだろう。
とはいえ、「新ルパン三世」などでは原作側がアニメのイメージに寄ってきているようだ。次元の銃は最初はワルサーだったりいろいろだが、いつのまにかマグナムに固定されたようだし(笑)。アニメの設定も頓着なく吸収し、時代と共に変化して行っている感じがまた、独特の面白さを持っているのである。
10.「ルパン三世」の基本設定
原作によると、ルパン三世は「ルパン帝国」で育ち、現在もルパン帝国の総帥であるらしい。国籍・年齢・実は性別すらも不明。あの猿顔も素顔ではなく、誰も見たことがないんだそうだ。アルセーヌ・ルパンの孫というのも自称なので、実は嘘かも。
アニメではルパン帝国はすでに崩壊し(新ル)、ルパンの性別と素顔はあのままらしい。国籍・年齢は不詳。Kとしては、「ルパン」を考える際にはとりあえずこのアニメ設定を採用している。(だって性別も素顔もわからないんじゃ、謎過ぎて何も語れないもの/笑)
他に、次元の愛銃はマグナム(原作はワルサー他?)、五右衛門の愛剣は斬鉄剣(原作は流星)、銭形警部の呼び名は「とっつぁん」(原作は銭さん)など、全体的にアニメ設定が有効なことが多い。
(ちなみにゴエモンは原作で正確には「五右ェ門」、アニメでは「五ェ門」らしい。Kは最初にうっかり「五右衛門」と辞書登録してしまったので、基本はこの変換に従っている←そこにこだわりはないのか)
原作のみに現れて、ファン間でも人気の高い「ルパンと次元は幼馴染み」設定は、これは乙女には大変ツボな設定である(爆)。幼馴染み!なんて甘美な響きだろう…
いや、「ファースト・コンタクト」のような、怪盗と殺し屋(用心棒)としての出会いというのもなかなか想像力をかきたててくれるものがあるが、幼馴染み設定は捨てがたい。
さらにいうなら、「次元はルパンより二、三歳程度年上」とか「五右衛門はルパンより三〜五歳くらい年下」というあたりが望ましい。いろいろなファンサイトを巡るまで、彼らの年齢差など考えたこともなかったが、そう言われてみるとやけに納得できるものがあった。もちろん、年齢不詳の彼らにオフィシャルな年齢設定があるべくもないが、Kの中でルパン・ワールドの基本設定としてはすでに採用されているようだ(笑)。