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パースリファンの皆様、今宵も当劇場へようこそいらっしゃいました。
劇場支配人「K」の脳内でとりとめもなく展開された小ネタを語る、脳内妄想シアターの開幕です。
さて、本日はシリアス長編を書いていた管理人が、煮詰まった反動で逃避した時に考えていたコネタのひとつです。ハジけた連中のちょっとトボケた会話を脳内で楽しんでいただけなので、ヤマもオチもないシロモノであるのは当然ですね。
そんな息抜きの妄想もお裾分け。お客様にも楽しんでいただければ幸いです。◆ 本日の演目 ◆
「ルパン三世 Part3」−26話「ニューヨークの幽霊」
題名からして、舞台はN.Y.なのでしょう。
五右衛門さん受難の回(笑)。パースリゴエって大好き。色男過ぎなくて、適度にコミカルで柔軟で、いいカンジに砕けている。原作含め、すべてのシリーズで一番好きかも。この回でも、後半、船に固定されているピンボール台を奪うため、次から次へと床を斬り落とす姿がなんとも楽しそうで…( ^ ^ ) むっつりしてるつもりかもしれないけど、口元がちょっと笑ってて、壊してるのが楽しくて仕方ないって感じだな〜v
パースリの魅力は、こういう動きの独特のテンポのよさだろうと思うわけです。ルパンがフライパンを持ってマシンガンと闘う様子だとか、それを「遊んでるヒマないの!」とたしなめる次元だとかね♪あと、ラストでヘリコプタの中での、ルパンたちと五つ子ちゃんとのやり取りもなかなかGood。
恐れ多くもルパンに銃をつきつける五つ子娘 ; でもリリィが五右衛門に「小父様、ごめんなさい!」と謝って、ムゥゥ…とこそばゆそうに顔を歪めつつ、「リリィッオジサマはやめぬか!」という言い方で許してあげる五右衛門。なんとも微笑ましい場面である。ヘリコプタの運転席で、そっと銃に手を伸ばしていた次元、その様子を見ていてバカらしくなっちゃったらしく、笑い出す。くるくるした目で成り行きを見ていたルパン(ここのところも好きv)も続いて笑い出し、彼等は今回の獲物をヘリごと五つ子娘に譲ることに暗黙の了解をした模様。
ヘリから海へ飛び降りるルパンたちの姿も一人一人個性的で、不二子なんて自分のことをオバサマ呼ばわりしてるし(驚!)。パースリらしい軽さが全面に漂う、けっこう好きな回ですねぇvvそんなパースリっぽい雰囲気のレギュラー陣を書いてみようと言うわけで、幽霊にとり憑かれた五右衛門の苦悩のワンシーンを書いてみましたv
* * * * *
「ルパン、相談に乗ってくれぬか」
神妙な顔で五右衛門が頼んできたのは、斬鉄剣を借りてルパンがホテルの部屋に戻った直後のことだった。
ニンニクと玉葱の匂いを全身から発散させながら、五右衛門は纏っていた灰色のマントのフードを下ろして、ベッドの脇に膝をついて頭を下げる。ベッドの上でワインを飲みつつ、寛いでいたルパンは、目を丸くして上半身を起こした。
「な、なんだぁ? どーしたのよ、五右衛門?」
「実は拙者……女子(おなご)の幽霊に好かれてしまったのだ!」
五右衛門は、ハドソン川で釣りをしていて女性のものらしい白骨を釣り上げてしまったこと、それを供養したおかげでリリィと名乗るキュートな女の子の幽霊に憑かれてしまっていることを涙ながらに語った。途中、明日の仕事の打ち合わせに来た次元も加わって、ルパンは五右衛門がデーモン退治さながらの頓狂な格好をしている理由に思い至ったのである。「そいつぁ災難だな、五右衛門」と面白そうに言ったのは次元だった。
「まぁ考えようによっちゃ、死人にモテるなんて滅多にねぇ経験だろ。生きてる小娘に手をだすのは犯罪だが、相手は死んでんだし、実害はないだろ?」
からかうような次元を五右衛門が睨みつけた。首をすくめつつ、人の悪い笑顔を浮かべる次元の脇を突付いて制すると、ルパンはベッドの上に胡座をかいた。
「要するにだ。そのカワイコちゃんがお前のことを諦めて成仏してくれねぇかな〜っと、こーいうワケだな?」
床に座り込んで頷く古風な剣士を見下ろして、ルパンは次元同様、悪戯な気持ちがむくむくと膨れ上がるのを感じた。あの五右衛門が、幽霊に恋をされて困っているなんて、こんな面白い事件を見逃すことができようか。(いや、できない……反語)
「よ〜っし! 俺サマに任せろ五右衛門!」
はりきるルパン。おっ、というように次元がルパンを見、ぱっと顔を上げた五右衛門の顔が輝いた。
「かたじけない。何か妙案があるのか、ルパン」
「モッチのロンよ。いいか? 恋愛なんて所詮独占欲の塊よ。つまり、五右衛門がもう誰か他のヤツのものだってその女の子の幽霊にわからせればいいんじゃねーの」
「偽デートか?」
高校生並に胡乱な思いつきを口にする次元。
「ノンノン。もっと直接的でわかりやすい手にしねぇとな」
そう言って、ルパンはベッドサイドに備えつけてある電話に手を伸ばした。
「あ、ふーじこちゃん? 悪いんだけっども、ちょーっとお部屋まで来てくんないかな」
隣室の不二子に内線をかけている。五右衛門が怪訝そうにルパンを見上げた。数分後、やって来た不二子は、部屋に入るなり眉根を寄せた。
「ニンニク臭いと思ったら、五右衛門がいるのね? シャワーを浴びなさいよ」
早速文句をつける彼女に、次元が大げさに驚いた。
「おい五右衛門、ニンニクは不二子が寄りつかねぇ効果はあるらしいぞ!」
「何言ってるのよ?」
ますます眉を顰める不二子に、ルパンが簡単に事情を説明した。それから提案する。
「それでな、不二子ちゃんに頼みがあるんだけっどもよ」
チョイチョイと指で不二子を呼び寄せ、ある事を耳打ちした。聞いていた不二子の柳眉が、再び跳ね上がる。
「ええ〜っ!? 五右衛門にキスマーク!?」
五右衛門もかなり驚いたようだ。なんの冗談かとルパンを見やる。
「口紅でチュっと、五右衛門のほっぺにでもつけてやってくんないかなぁ」
ルパンが楽しげに請うと、不二子は「やぁよ」と速攻で拒絶した。
「あらら、どうして?」
「誰にでもキスできるほど軽い女じゃないわよ、私」
つんと顔をそむけて、心外そうに不二子は言った。さすがに不二子、自分の価値を知っているようだ。
「そんなこと言わないでさぁ。このままじゃ五右衛門が夜も眠れないままだぜ、可哀想じゃねぇの。それとも不二子は、五右衛門が幽霊にあの世に連れてかれちゃってもいいってワケ?」
「それは……」
不二子はためらって、五右衛門を見た。哀れにやつれた五右衛門は礼儀正しく床に正座したまま、困惑した顔でルパンと不二子を見ている。五右衛門には甘い不二子であるため、次の拒否を口にするまで少し時間がかかった。
その間に、またまた次元が余計な口を出した。
「ルパン、おめぇ本気でそんなモンが幽霊に通用すると思ってんのか?」
「あら、次元ちゃんは異論がおあり?」
ルパンはくるりと視線を転じて陽気な相棒を見た。自分も楽しんでいるが、次元も相当にこの状況を面白がっている。
「相手はぴちぴちのギャルだぜ? 不二子みてぇな年増なんて相手にもならんと思うだろうよ」
「ちょっと次元、誰が年増よ!?」
聞き捨てならないとばかりに不二子が次元を睨みつけた。
「五右衛門を『小父様』呼ばわりしてんだぜ? お前なんてオバサンて呼ばれちまうのがオチさ」
フフンと鼻で笑って次元が答える。途端に不二子の闘志に火がついた。
「なんですって〜? この私が小娘に負けるとでも言うの?」
「ご本人が目の前にいるんだから聞いてみようじゃねぇか。なぁ五右衛門?」
突然次元に話を振られて、五右衛門は目を白黒させた。
「な、何の話だ?」
「そのキュートなカワイコちゃんの幽霊と、不二子と、どっちにキスして欲しいのかって聞いてんだよ」
どうしてそういう展開になるのか分からねぇなぁ、とルパンは思ったが、とりあえず様子見。不二子は腕を組み、仁王立ちに近い格好で五右衛門を見下ろし、答えを待っている。
五右衛門は不二子と次元と、それから最後にルパンを見たが、どこからも救いの手は差し延べられないと観念したようだった。結局は懸命に考えて、歯切れも悪く答えを口にした。
「いや、拙者は……ともかくあの娘には成仏してもらいたい。そのようなことに不二子に協力をお願いするのは心苦しいが……」
居住まいを正し、不二子に向かって両手をついた。
「不二子殿にお願い申す!」
深々と頭を下げる五右衛門に、不二子も溜飲が下がったらしい。
「そうまで言われちゃ、仕方ないわね。でも、高くつくわよ?」
あっさりと折れて、ルパンには協力をする代わりの要求を何にしようかと思い巡らせているようだった。ルパンはニッと笑って両手を広げた。
「そりゃもう、ふーじこちゃんの欲しいもの、なーんでもあげちゃうよ!」
「とりあえずは黄金のピンボールね」
そう言われて、ルパンはガクッとポーズを取る。
「えぇ〜? あれは盗ったら皆で遊ぼうって約束だったろ〜?」
「ピンボールなんて子供のお遊びじゃない。一度やれば充分よ」
そう言うと、不二子は五右衛門に近付いて床に膝をついた。柔らかいローズピンクの唇を五右衛門の頬に寄せて、軽くキスを落とす。
頬に口紅のついた五右衛門の顔が見る見るうちに赤く染まった。
耳まで真っ赤になった彼を見て、ルパンと次元は肩を震わせ、共に横隔膜の痙攣を抑えるのに苦労したのであった。* * * * *
…というわけで。不二子にキスされて真っ赤になる、純情五右衛門の姿を勝手に妄想して、ちょっと書きたかっただけらしい(笑)。脳内ではパースリゴエなど、全メンバーがパースリの絵柄で構成されております。
なんとなく…パースリ次元はこんなハイテンションっぷり〜、とか、
(ぴちぴちギャルとか、言いそうじゃない?/笑)
フレアスカートが似合うパースリ不二子は可愛いけど、キ〜ってなる怒り方…とか、
(『ルビーは血の汗を流す』のラストとかね、怖かったよ? 怖かったよ?/爆)
目を白黒させているパースリゴエ風の顔が浮かぶわ〜とか…
自分的にはいつもとちょっと違う彼等を書いてみた!という感じです。
いつもはやっぱり新ル風なのかな。脳内は赤ジャケルパンたちが動き回っている気がしますよ( ^ ^ )しかし、実を言うとこの話、最初はもっと下ネタというか、低俗なところを考えていました。
これについては、当サイト<R-女性向指定>に引っ掛かるので、別ページで語ります。興味のある方のみお進み下さい →→ 裏事情<注意!女性向警報>
まぁそれはそれで。
ルパンだけが「これぞパースリルパン!」っていう感じになりきれなかった気がするので、これは今後の課題かな。パースリな連中をテーマとして、今後もまた書きたいですね!v
* * * * *
さてさて、今回の脳内シアターはこれにて閉幕。
次回の上演はいつになりますことやら、よろしければご来場ください。
それでは皆様、ごきげんよう。